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中学3年円

円周角の定理とその逆 ― 中心角の半分になる理由と、直径に対する円周角

円の問題で角度を求めるとき、ほぼ必ず使うのが円周角の定理です。公式としては短いのですが、「どの弧に対する角なのか」を見落とすと、とたんに解けなくなります。この記事では、定理がなぜ成り立つのかを二等辺三角形から確かめ、直径の場合や定理の逆まで、入試で使う形にそって整理します。

対象:中学3年〜高校1年 / 読む時間の目安:9分

1. 円周角と中心角とは

円Oの周上に2点A、Bをとると、円周は2つの弧に分かれます。そのうちの一方を弧ABとし、弧ABをふくまない側の円周上に点Pをとります。このときの∠APBを、弧ABに対する円周角といいます。頂点が円周上にあり、2本の辺が弧の両端を通っている角です。

一方、中心Oと弧の両端を結んでできる∠AOBを、弧ABに対する中心角といいます。中心角はおうぎ形の単元でも出てきた、おうぎ形の「開き具合」を表す角です。円周角と中心角は、どちらも「同じ弧を見込む角」ですが、見ている場所が円周上か中心かがちがいます。

2. 円周角の定理

円周角の定理

  • ① 1つの弧に対する円周角の大きさは、その弧に対する中心角の半分である
  • ② 同じ弧に対する円周角の大きさは、すべて等しい
A B P Q O 70° 70° 140°
弧ABに対する中心角が140°なら、円周角∠APBも∠AQBも70°。図の角度は実際の大きさに合わせてあります。

②は①からすぐに出てきます。同じ弧に対する中心角は1つしかないので、その半分である円周角は、点Pを弧の上のどこに動かしても変わりません。図のPとQのように見た目の形がかなりちがっても、角の大きさは同じです。等しい弧に対する円周角が等しいことも、同じ理由で成り立ちます。

3. なぜ中心角の半分になるのか

定理①の理由は、補助線を1本引くだけで説明できます。点Pから中心Oを通る直径PQを引くのがポイントです。円の問題で「中心と結ぶ」補助線は定番で、補助線の引き方7つの型でも紹介しています。

P Q A B O a a 2a b b 2b
青い点線は点Pを通る直径PQ。OP、OA、OBはどれも半径。

OAとOPはどちらも半径なので、△OAPは二等辺三角形です。そこで ∠OPA=a とすると、底角が等しいので ∠OAP=a になります。

次に∠AOQに注目します。これは△OAPの頂点Oにおける外角です。三角形の外角は、となり合わない2つの内角の和に等しいので、∠AOQ=a+a=2a です。まったく同じことを右側の△OBPでも行うと、∠OPB=b のとき ∠BOQ=2b になります。

あとは足し算です。円周角は ∠APB=a+b、中心角は ∠AOB=2a+2b=2(a+b)。よって中心角は円周角のちょうど2倍、つまり円周角は中心角の半分です。

ここではOが∠APBの内側にある場合を説明しました。Oが∠APBの辺の上にある場合や外側にある場合も、同じ直径PQを使い、足し算のかわりに引き算をすれば同じ結論になります。「半径2本で二等辺三角形、外角で2倍」という流れを覚えておけば、どの場合でも自分で説明できます。

4. 直径に対する円周角は90°

弧ABが半円のとき、つまりABが直径のときを考えます。中心角∠AOBは一直線なので180°です。円周角はその半分なので90°になります。

ABが直径 ⇔ ∠APB=90°Pは円周上のA、B以外の点。逆に∠APB=90°なら、ABはその円の直径になる
A B P Q O
ABが直径なら、円周上のどの点P、Qから見ても∠APB=∠AQB=90°。

この性質は入試で本当によく使います。問題文に「ABは直径」とあったら、すぐに直角の印をかきこむくせをつけましょう。直角三角形ができれば三平方の定理や相似が使えるようになり、長さの問題に一気につながります。逆に、図の中に直角を2つ見つけたら「同じ斜辺を直径とする円がかける」と考えられるようになると、上級の問題にも対応できます。

5. 円周角の定理の逆

円周角の定理は「4点が同じ円周上にある ならば 角が等しい」という内容でした。その逆も成り立ちます。

円周角の定理の逆

2点P、Qが直線ABについて同じ側にあって、∠APB=∠AQB ならば、4点A、B、P、Qは1つの円周上にある。

円がかかれていない図でも、等しい角を見つけたら「この4点は同じ円の上にある」と言えるのがこの定理の強みです。円が見えれば、今度は円周角の定理を使って、ほかの角も等しいことが次々にわかります。つまり逆は、見えない円を呼び出す道具です。

使うときに忘れてはいけないのが「同じ側」という条件です。PとQが直線ABの反対側にあると、角が等しくても同じ円周上にあるとは限りません。答案では「2点C、Dは直線ABについて同じ側にあり」と、ひとこと書きそえるようにしましょう。

6. 例題

例題1(直径と円周角)

下の図で、ABは円Oの直径、C、Dは円周上の点です。∠CAB=28°のとき、∠x(∠ABC)と∠y(∠ADC)の大きさを求めなさい。

28° x y A B C D O
ABは直径。図の角度は実際の大きさに合わせてあります。

考え方:ABが直径なので、まず∠ACBに直角の印をかきます。次に、∠yがどの弧に対する円周角かを確かめます。

直径に対する円周角なので ∠ACB=90°。△ABCの内角の和から
∠x=180°-90°-28°=62°

∠ADCと∠ABCは、どちらも弧ACに対する円周角です(DとBは直線ACについて同じ側)。よって
∠y=∠x=62°

例題2(円周角の定理の逆)

四角形ABCDで、対角線AC、BDを引きます。∠ACB=∠ADB=35°、∠BAC=45°のとき、∠x(∠BDC)の大きさを求めなさい。

35° 35° 45° x A B C D
青い点線の円は、問題の図にはなく、解答の中で見つける円です。

考え方:∠ACBと∠ADBは、どちらも線分ABを見込む角です。等しい角があるので、逆を使って円を呼び出します。

2点C、Dは直線ABについて同じ側にあり、∠ACB=∠ADB です。したがって円周角の定理の逆より、4点A、B、C、Dは1つの円周上にあります。

すると∠BDCと∠BACは、どちらも弧BCに対する円周角になります。よって
∠x=∠BAC=45°

例題2は、円がかかれていないのに円周角の定理が使える、という点がおもしろいところです。等しい角を見つける→逆で円を見つける→円周角の定理で別の角を移す。この3段の流れは、高校入試の難しめの角度問題でよく使われます。

7. よくあるつまずき

つまずき1:どの弧に対する円周角かを取りちがえる

円周角の頂点から出る2本の線の先が、どの2点を通っているかを見ます。その2点を両端とし、頂点をふくまない側の弧が「対する弧」です。弧を指でなぞってから式を立てると、取りちがえが減ります。

つまずき2:2倍と半分を逆にする

「円周角=中心角×2」としてしまうミスです。図を見れば、中心から見た角のほうが大きく開いているのがわかります。「中心のほうが大きい」と覚えておけば、どちらが2倍なのか迷いません。

つまずき3:反対側の弧の円周角と混同する

点Pが弧ABの上(中心角をつくる弧と同じ側)にあると、∠APBは大きい弧に対する円周角になります。中心角が130°のとき、反対側の点から見た円周角は65°ですが、弧の上の点から見た円周角は (360°-130°)÷2=115° です。円に内接する四角形の向かい合う角の和が180°になるのは、このためです。

8. 練習問題(解答つき)

問1 円Oで、弧ABに対する中心角∠AOBが130°です。(1)弧ABをふくまない側の円周上の点Pについて、∠APBを求めなさい。(2)弧ABの上の点Rについて、∠ARBを求めなさい。

解答を見る

(1)円周角は中心角の半分なので ∠APB=130°÷2=65°
(2)Rから見た角は、残りの大きい弧に対する円周角です。その中心角は 360°-130°=230° なので ∠ARB=230°÷2=115°

問2 ABを直径とする円の周上に点Cがあり、∠BAC は ∠ABC の2倍です。∠ABCの大きさを求めなさい。

解答を見る

直径に対する円周角なので ∠ACB=90°。よって ∠BAC+∠ABC=90°。
∠ABC=x とすると 2x+x=90 → x=30
∠ABC=30°(∠BAC=60°)

問3 円周上に4点A、B、C、Dがこの順にあり、線分ACとBDの交点をEとします。∠BAC=40°、∠ACD=30°のとき、∠AEBの大きさを求めなさい。

解答を見る

∠ABDと∠ACDは、どちらも弧ADに対する円周角なので ∠ABD=∠ACD=30°。
△ABEで、∠BAE=40°、∠ABE=30° なので
∠AEB=180°-40°-30°=110°

円周角の「どの弧か」を、問題で見抜こう

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執筆:GeOrigin 編集部(中学・高校の図形学習アプリ「GeOrigin」の運営チーム)。内容は中学・高校の学習指導要領と教科書の範囲に沿っています。