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中学・高校共通考え方

補助線の引き方 7つの型 ―「ひらめき」に頼らない図形の解き方

「補助線が思いつかない」は、図形が苦手な人のいちばん多い悩みです。でも、入試や定期テストに出る補助線の多くは、決まった数パターンの組み合わせでできています。この記事では、よく使う7つの型を、なぜその線を引くのかという理由といっしょに整理します。

対象:中学2年〜高校1年 / 読む時間の目安:8分

1. 補助線は「使える定理を呼び出すため」に引く

補助線そのものに意味があるわけではありません。線を1本足すことで、図の中に平行線・直角・二等辺三角形・相似な三角形など「知っている形」が現れ、習った定理が使えるようになる。これが補助線の役割です。

ですから、補助線を探すときは「どんな線を引こう」ではなく、「どの定理を使いたいか」から逆算するのがコツです。角度を求めたいなら平行線の錯角、長さを求めたいなら三平方の定理や相似、というように、ゴールから必要な形を考えます。

ポイント

問題文の条件(平行・中点・接線・直径など)は、そのまま「どの型を使うか」のヒントになっています。条件に線を引いてから、図をもう一度眺めましょう。

2. 補助線の7つの型

型こんな条件・目的のときに
① 平行線を引く平行な2直線の間に折れ線がある/角度を移したい(同位角・錯角)
② 中心と結ぶ円の問題。半径どうしで二等辺三角形ができる
③ 垂線を下ろす高さが必要(面積)/直角三角形を作って三平方の定理を使いたい
④ 接点と中心を結ぶ接線がある。接線と半径は垂直に交わる
⑤ 中点どうしを結ぶ中点が2つ以上ある。中点連結定理が使える
⑥ 辺を延長する台形や四角形を三角形に変えて、相似を使いたい
⑦ 直径を引く円で直角がほしい。直径に対する円周角は90°

① 平行線を引く

平行な2直線ℓ、mの間に「くの字」の折れ線があるとき、折れ曲がった点を通ってℓに平行な線を引きます。すると角が上下2つに分かれ、それぞれが錯角でℓ側・m側の角と等しくなります。下の例題で詳しく見ます。

② 中心と結ぶ

円周上の点と中心Oを結ぶと、どれも半径なので長さが等しくなります。2本の半径でできる三角形は二等辺三角形なので、底角が等しいことが使えます。円周角の定理の証明も、この補助線から始まります。

③ 垂線を下ろす

三角形の面積を求めたいのに高さがわからない、斜めの辺の長さを求めたい、というときは頂点から向かいの辺へ垂線を下ろします。直角三角形が2つできるので、三平方の定理や三角比が使えるようになります。

④ 接点と中心を結ぶ

円の接線は、接点を通る半径と垂直です。接線が出てきたら、まず接点と中心を結んで直角の印をつけましょう。

OPA
点Pから引いた接線PA。青い点線(半径OA)と接線PAは垂直に交わる。

こうすると△OAPは∠OAP=90°の直角三角形になり、OA(半径)とOPがわかれば三平方の定理で接線の長さPAが求められます。

⑤ 中点どうしを結ぶ

三角形の2辺の中点を結んだ線分は、残りの辺と平行で、長さはその半分です(中点連結定理)。中点が2つ以上出てきたら、まず結んでみる価値があります。台形の場合は、対角線を1本引いて三角形を2つ作ると同じ定理が使えます。

⑥ 辺を延長する

台形の上底と下底は平行なので、左右の脚(斜めの辺)を延長して交わらせると、大小2つの相似な三角形ができます。相似比は上底:下底になるので、長さや面積の比が一気に求められます。

⑦ 直径を引く

直径に対する円周角は90°です。円の中で直角がほしいときは、ある点から中心を通る直径を引き、その端と結びます。外接円の半径Rが関わる問題(正弦定理など)でもよく使います。

3. 例題:平行線の間の折れ線の角

例題

下の図で、ℓ∥m のとき、∠x の大きさを求めなさい。

ℓm 40° 30° x 補助線(ℓ∥)
点を通る青い点線が補助線(ℓ、mに平行)。図の角度は目安です。

考え方:折れ曲がった点を通り、ℓに平行な補助線を引きます(型①)。

補助線より上の角は、ℓとの錯角なので 40°。補助線より下の角は、mとの錯角なので 30°。

よって ∠x=40°+30°=70°

覚えておくと速い

平行線の間の「くの字」の角は、両側の角の和になります。折れ曲がりが2回ある場合も、それぞれの点に平行線を引けば同じように求められます。

4. よくあるつまずき

つまずき1:手当たり次第に線を引く

線を増やすほど図が見にくくなり、かえって何も見えなくなります。「何を求めたいか → 使いたい定理 → 必要な形」の順で考え、引く線は1本ずつ足しましょう。

つまずき2:補助線を引いたのに、印をつけない

平行線なら同じ角に同じ印、接線なら直角の印、中点なら等しい長さの印をつけます。印をつけて初めて、等しい角や相似な三角形が目に見えるようになります。

つまずき3:図が小さく、不正確

フリーハンドでも、なるべく大きく、比率をそれらしく描きましょう。不正確な図だと、等しくない角が等しく見えて誤解のもとになります。

5. 練習問題(解答つき)

問1 平行な2直線ℓ、mの間に折れ線があり、ℓとのなす角が35°、mとのなす角が45°です。折れ曲がった点の角∠xを求めなさい(例題と同じ形)。

解答を見る

折れ曲がった点を通りℓに平行な線を引くと、上下の角はそれぞれ35°と45°(錯角)。
∠x=35°+45°=80°

問2 円Oの外の点Pから円に接線を引き、接点をAとします。OA=4cm、∠APO=30°のとき、OPと接線PAの長さを求めなさい。

解答を見る

接点と中心を結ぶと(型④)、∠OAP=90°。△OAPは30°・60°・90°の直角三角形なので、辺の比は OA:OP:PA=1:2:√3。
OP=4×2=8cm、PA=4√3cm

問3 AD∥BC の台形ABCDで、AD=4cm、BC=10cm です。辺AB、DCの中点をそれぞれM、Nとするとき、MNの長さを求めなさい。

解答を見る

対角線ACを引き、ACとMNの交点をPとします(型⑤)。△ABCで中点連結定理より MP=BC÷2=5cm、△CDAで PN=AD÷2=2cm。
MN=5+2=7cm(上底と下底の平均になります)

補助線の型を、問題で身につけよう

GeOriginの「補助線問題」では、図に引いた4本の候補から役に立つ補助線を選びます。中学9単元・高校5単元の140問を、型の解説つきで練習できます。

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執筆:GeOrigin 編集部(中学・高校の図形学習アプリ「GeOrigin」の運営チーム)。内容は中学・高校の学習指導要領と教科書の範囲に沿っています。