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中学2年平面図形

平行線と角・多角形の内角と外角 ― 同位角・錯角から内角の和まで

中2の図形は「平行線と角」から始まります。同位角や錯角は用語を覚えるだけの単元に見えますが、三角形の内角の和が180°であることも多角形の角の公式も、すべてここから導かれます。この記事では、角の性質を一本の流れとしてつなげ、入試でよく出る角度の求め方まで身につけます。

対象:中学2年〜 / 読む時間の目安:10分

1. 対頂角・同位角・錯角

2本の直線が交わると、交点のまわりに4つの角ができます。向かい合った2つの角を対頂角といい、対頂角は必ず等しくなります。理由は簡単で、となり合う角との和がどちらも180°(一直線)だからです。∠a+∠b=180°、∠b+∠c=180° なら、∠a と ∠c は同じ大きさになります。

次に、2本の直線ℓ、mに1本の直線が交わる場面を考えます。交点が2つできるので、角は全部で8つです。このとき、位置関係によって角に名前がつきます。

ℓm 120° 120° 60° 60° オレンジ:同位角 緑:錯角
図1 ℓ∥m のとき、同位角どうし(オレンジ)、錯角どうし(緑)はそれぞれ等しい。

同位角は「片方の交点のまわりの図を、そのまま平行にずらすと重なる角」と考えるとわかりやすいです。錯角は、同位角と対頂角を組み合わせたものです。片方の角の対頂角をとると、もう片方と同位角の関係になるからです。

2. 平行線の性質と、平行になるための条件

同位角や錯角が等しくなるのは、2本の直線が平行なときだけです。平行でない2直線に直線が交わっても、同位角は等しくなりません。この点をはっきりさせるため、教科書では2つの向きに分けて整理します。

平行線の性質と条件

  • 性質:2直線が平行ならば、同位角・錯角は等しい。
  • 条件:同位角または錯角が等しければ、その2直線は平行である。

「平行だから角が等しい」と「角が等しいから平行」は、仮定と結論を入れかえた関係(逆)になっています。角度を求める問題では性質を、証明で「平行であること」を示すときには条件を使います。どちらを使っているのかを意識すると、証明の書き方もはっきりします。

もう一つ覚えておきたいのが、平行線の内側で同じ側にある2つの角(図1なら上の交点の右下の角と下の交点の右上の角)は、合わせて180°になることです。片方を錯角で移すと、一直線の角になるからです。

3. 三角形の内角と外角

三角形の3つの内角の和が180°であることは、小学校で分度器や切り貼りで確かめました。中2では、これを平行線の性質を使って理由をつけて説明します。

b b c c a ABC
図2 青い点線は、Aを通りBCに平行な直線。錯角が等しいので、∠Bと∠CがAのまわりに集まる。

頂点Aを通って辺BCに平行な直線を引きます。すると、Aの左側の角は∠Bと錯角で等しく、右側の角は∠Cと錯角で等しくなります。Aのまわりには左の角・∠A・右の角が一直線に並ぶので、合計は180°です。つまり ∠A+∠B+∠C=180° となります。

この説明は「三角形の3つの角を、平行線を使って1か所に集める」というアイデアです。補助線を1本引くだけで、知っている性質(錯角・一直線は180°)が使えるようになります。補助線の考え方は補助線の引き方 7つの型でも整理しています。

外角の性質

三角形の1辺を延長したとき、延長した線ととなりの辺がつくる角を外角といいます。外角は、となり合う内角と合わせて180°です。一方、内角3つの和も180°なので、外角はとなり合わない2つの内角の和に等しくなります。

三角形の外角 = となり合わない2つの内角の和∠A+∠B+∠C=180° と、∠C+(Cの外角)=180° から導ける

この性質を使うと、内角を一つひとつ求めなくても、外角を一気に計算できます。入試の角度の問題で最もよく使う道具の一つです。

4. 多角形の内角の和

四角形・五角形と角の数が増えても、考え方は三角形のときと同じです。1つの頂点から対角線を引いて、多角形を三角形に分けるのです。

① ② ③
図3 五角形は、1つの頂点からの対角線で3つの三角形に分けられる。内角の和は 180°×3=540°。

n角形では、1つの頂点から引ける対角線は、自分自身と両どなりの頂点を除いた (n−3) 本です。これで (n−2) 個の三角形に分かれます。三角形の内角をすべて合わせたものが多角形の内角の和になるので、次の公式が成り立ちます。

n角形の内角の和 = 180° ×(n − 2)四角形 360°、五角形 540°、六角形 720°

「なぜ n ではなく n−2 なのか」と聞かれて答えられれば、この公式はもう忘れません。三角形の数は、頂点の数より2つ少ないのです。図を1枚かけば確かめられるので、テスト中に不安になったら五角形をかいてみましょう。

すべての辺と角が等しい正多角形なら、1つの内角は内角の和をnで割って求めます。正六角形なら 720°÷6=120° です。

5. 多角形の外角の和は360°

多角形の各頂点で1つずつ外角をとり、それを全部足すと、何角形でも必ず360°になります。内角の和は角の数によって変わるのに、外角の和は変わりません。ふしぎに思えますが、2通りの説明ができます。

1つ目は計算です。各頂点で「内角+外角=180°」なので、n個の頂点すべてで足すと 180°×n。ここから内角の和 180°×(n−2) を引くと、残りの外角の和は 180°×2=360° です。

2つ目はイメージです。多角形の辺にそって歩くことを考えます。頂点に来るたびに外角の分だけ向きを変え、1周してもとの場所に戻ると、ちょうど1回転して最初と同じ向きになります。1回転は360°なので、曲がった角の合計も360°です。

多角形の外角の和 = 360°正n角形の1つの外角 = 360° ÷ n

この性質は、正多角形の問題でとても役に立ちます。正n角形の1つの内角を求めるときは、先に外角 360°÷n を出して 180° から引くほうが、計算が楽なことが多いです。正十二角形なら外角は30°なので、内角は150°とすぐにわかります。

6. 入試での使われ方

入試の角度の問題では、ここまでの性質を組み合わせて使います。特によく出る形が3つあります。

どれも三角形の外角の性質をくり返し使うと説明できます。結果だけ覚えるより、外角で説明できるようにしておくと、少し形を変えた問題にも対応できます。

7. 例題

例題1

下の図のようなへこんだ四角形ABCDで、∠A=70°、∠ABC=25°、∠ADC=35°です。へこんだ部分にできる∠x(図の∠BCD)の大きさを求めなさい。

70° 25° 35° x ABCDE
青い点線は、辺BCをCの先へ延長した補助線。ADとの交点をEとする。

考え方:辺BCを延長してADとの交点をEとし、三角形の外角の性質を2回使います。

△ABEで、∠CED は頂点Eの外角なので ∠CED=70°+25°=95°

△CEDで、∠x は頂点Cの外角なので ∠x=95°+35°=130°

結果を見ると、∠x=70°+25°+35° となっています。へこんだ部分にできる角は、ほかの3つの角の和です。

例題2

内角の和が1440°になる多角形は何角形ですか。また、その多角形が正多角形のとき、1つの内角と1つの外角を求めなさい。

考え方:n角形とおいて、内角の和の公式で方程式を作ります。

180×(n−2)=1440 より、n−2=8、n=10。答えは十角形です。

正十角形の1つの外角は 360°÷10=36°、1つの内角は 180°−36°=144°です。(確かめ:144°×10=1440°)

8. よくあるつまずき

つまずき1:平行でないのに同位角・錯角を等しいとする

図に平行の記号や「ℓ∥m」の条件がないのに、見た目で錯角を等しいとしてしまうミスです。同位角・錯角が等しいと言えるのは平行なときだけです。条件を問題文で必ず確かめましょう。

つまずき2:内角の和を 180°×n と覚えてしまう

三角形の数は頂点の数より2少ない n−2 個です。四角形で 180°×4=720° となったら明らかにおかしいので、四角形は360°と確かめるくせをつけましょう。

つまずき3:外角の和も角の数で変わると思う

外角の和は何角形でも360°です。正n角形の外角を「内角の和÷n」のように複雑に考える必要はありません。外角は 360°÷n、内角は 180°−外角、の順に求めると速くて確実です。

9. 練習問題(解答つき)

問1 正八角形の1つの内角と1つの外角を求めなさい。

解答を見る

外角の和は360°なので、1つの外角は 360°÷8=45°。
1つの内角は 180°−45°=135°。
(内角の和 180°×6=1080° を8で割っても135°になります)

問2 1つの外角が24°の正多角形は正何角形ですか。また、その内角の和を求めなさい。

解答を見る

外角の和は360°なので、頂点の数は 360÷24=15。答えは正十五角形です。
内角の和は 180°×(15−2)=2340°。

問3 円の周りに5点A・B・C・D・Eをこの順にとり、線分AC・AD・BD・BE・CEを引いて星形を作ります。星形の5つの先端の角 ∠A+∠B+∠C+∠D+∠E の和を求めなさい。

解答を見る

BEとACの交点をP、BEとADの交点をQとします。
△PCEで、∠APQ は頂点Pの外角なので ∠APQ=∠C+∠E。
△QBDで、∠AQP は頂点Qの外角なので ∠AQP=∠B+∠D。
△APQの内角の和は180°なので、∠A+(∠C+∠E)+(∠B+∠D)=180°。
先端の角を1つの三角形に集めるのがポイントで、星の形がゆがんでいても答えは同じです。

角度の問題をたくさん解いて身につけよう

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執筆:GeOrigin 編集部(中学・高校の図形学習アプリ「GeOrigin」の運営チーム)。内容は中学・高校の学習指導要領と教科書の範囲に沿っています。